モンゴルの主要産業は、伝統的な牧畜業(カシミア、羊毛、皮革など)でしたが、現在は豊富な鉱物資源を背景にした鉱工業が中心になりつつあります。1990年代半ばより、早くから採掘が行われてきた銅やモリブデンを中心とする鉱物資源の輸出で活況を見せていたモンゴル経済だったのですが、2008年の世界金融危機の影響や銅の国際価格急落などが経済を直撃しました。日本や国際機関により緊急財政支援が行われましたが、2009年の実質成長率は前年の8.9%から一気にマイナス1.6%に落ち込みました。さらに、2009年末から2010年にかけてモンゴルを大寒波が襲った結果、約600万頭もの家畜が犠牲となり、GDPの約20%を占める農牧業に打撃を与えました。しかし、今後ほとんど未開発の大規模炭田や注目を集めるウラン、レアアースの開発が進めば、モンゴル経済は名実ともに鉱物資源大国となるでしょう。