1980年代末に起きた東欧革命による民主化の波は、モンゴルにも押し寄せ、1990年に社会主義から大統領制に移行しました。1992年には新憲法が施行され、国名も「モンゴル国」に改め、名実ともに民主化への道を踏み出しています。最初は体制転換の混乱により経済の低迷が続きましたが、日本をはじめとする各国からの経済支援や国際通貨基金(IMF)の資金援助によって、初めて1994年に経済成長率がプラス(2.3%)に転換となりました。また、1991年先進国首脳として初めて日本の海部総理(当時)がモンゴルを訪問し、日本は対モンゴル支援で国際社会の中で、イニシアティブを発揮してきました。
現在のモンゴルは極めて親日的です。それは、民主化後のモンゴルにとって最大の援助国であったことや、大相撲でのモンゴル人力士の活躍などによります。2004年に在モンゴル日本国大使館が実施した世論調査においても「日本に親しみを感じる」との回答が全体の7割を占め、「最も親しくすべき国」として日本が第1位に挙げられています。このような日本に対するモンゴルの人々の思いは、日本語学習熱の高まりや日本への留学生が増加したことなどからも表れています。日本人にとっても、モンゴルは魅力的な自然風土と文化、歴史を備えた国です。