コールセンター業務といえば、これまでインドでした。
豊富な若年層人口、安い労働賃金、そして高いIT技術力に英語力といった条件が揃い、多くの多国籍企業のアウトソース先となっていました。
だが近年、そのインドをコールセンター業務でフィリピンが追い抜いたと見られています。
インドでのコールセンター業の年間離職率は60%にも上りますが、この傾向はフィリピンではほとんど見られません。そのため技能の習熟度で先をいくフィリピンのコールセンターは、インドに比べて一日あたり20〜30%も多くの顧客をさばけるようになっています。
さらに、フィリピンは20世紀前半に米国の植民地だったこともあり、国民の英語レベルが総じて高く、なまりの強いインド英語とは違い、アメリカ英語に近いことも強みで、米国人の顧客を持つ企業を引きつける要因ともなっています。フィリピン国内のコールセンターに業務委託した主な欧米企業には、マイクロソフトやHSBC、AT&T、IBMなどがあり、今後も成長しつづけるでしょう。